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●「建設リサイクル推進に係る方策」の公表について(国土交通省:平成20年3月14日)
                                                     掲載:2008.3.19
概要

 国土交通省では、新たな建設リサイクル推進計画の策定を視野に入れ、建設リサイクルや建設副産物の適正処理等を推進するための方策を検討するため、社会資本整備審議会・交通政策審議会それぞれの下部組織として「建設リサイクル推進施策検討小委員会」を設置しています。  
 平成19年1月より検討を行い、平成19年11月に意見(パブリックコメント)を募集し、平成20年3月14日、両小委員会で、これまでの検討及び意見募集の結果をもとに「建設リサイクル推進に係る方策」を公表しました。
 なお、パブリックコメントついては、本協会も建設汚泥に対して意見を述べており、主な内容は下記の通りです。

[パブリックコメント要旨]
・建設汚泥の再資源化後のリサイクルの実態を把握することが最重要である
・再資源化技術の適正評価及び建設汚泥処理土を適正に評価するための技術者育成が急務
・その他として、「再泥化」など
 
 今回、「課題に対する検討の方向性について」が出され、「建設リサイクル推進計画2008」にて具体的な方向性が示されていく予定ですので、本協会でも内容などを随時紹介していきます。

内容の紹介

 「建設リサイクル推進に係る方策」及び「課題に対する検討の方向性について」の建設汚泥に係わる部分を抜粋して紹介します。

(1)「建設リサイクル推進に係る方策について」

○建設汚泥
 建設汚泥処理土は、建設発生土と利用用途が競合することや、建設汚泥再生品(一般市販品)についての品質基準がないこと等から、建設汚泥の再生利用が必ずしも十分に進んでいない。 また、民間工事由来の建設汚泥処理土については、環境安全性等の品質を担保する仕組みがなく、公共工事での有効利用が図られていない。
 このため、以下の施策を講ずべきである。
(1)国は、建設汚泥再生品の品質基準について検討すべき。
(2)国は、民間工事由来の建設汚泥処理土の活用にあたって課題を整理し、工事間利用に関するルールについて検討すべき。
(3)行政は、建設汚泥処理土の有効利用方策の検討・推進にあたっては、建設発生土の有効利用方策の検討・推進と総合的に取り組むべき。

建設リサイクル推進施策検討小委員会 第7回合同会議 公表資料4「建設リサイクル推進に係る方策(案)」より抜粋


(2)「課題に対する検討の方向性について」

○建設発生土の有効利用、建設汚泥の再生利用について
[論 点]
・建設発生土の需要と供給がアンバランス。
・建設発生土が供給過多でありながら、新材が利用されている。
・建設汚泥再生品の利用の促進が必要。
・汚染土壌、自然由来の重金属等を含む土砂がある。

関係者ごとの課題として再整理すると
(1)発注者・設計者・施工者
(課題)需給のアンバランスは改善傾向にあるが、依然として建設発生土搬出量は土砂利用量の2倍
原 因
検討の方向性
主要な取り組み
土木工事は、工事内で切土・盛土量のバランスをとるよう努めているが、土砂利用量より発生土量が多くなりがち 発生土量抑制の観点から、さらなる設計の合理化や施工法の改善を推進できないか 公共工事の発注者は、総合評価落札方式や、VE方式等の入札契約方式を活用し、建設リサイクルの観点から設計の合理化や工法の改善を促進すべき
5年程度の中期的な土砂の需給動向を情報化し、設計に反映できないか 国は、中期的な建設発生土の需給動向を地域レベルで把握し、それを適時設計に織り込んで需給バランスの改善を図るための仕組みについて検討すべき

(課題)建設発生土が供給過多状態でありながら、新材が利用されている(更なる工事間利用が必要)
原 因
検討の方向性
主要な取り組み
埋戻土として、建設発生土の利用が排除されている基準類が残っている 基準類の点検が必要ではないか 行政は、埋戻土として建設発生土の利用が排除されている基準類の点検・見直しを行うべき
新材利用を抑制する仕組みをつくれないか 公共工事の発注者は、新材の代替材として民間の改良土を活用できないか検討すべき
工期、品質(土質)がミスマッチ ストックヤードの確保と有効活用が促進できないか 公共工事の発注者は
・民間の土質改良プラントについて、ストックヤード機能として活用できないか
・数年後に工事発注予定の事業箇所について、ストックヤードとして活用できないか
検討すべき
工事間で、発生土に関する精度の高い情報を前もって共有できていない 発注者間の調整について、利用ルールの整備も含め、改善を図れないか 国は
・民間工事由来の建設発生土の活用にあたって課題を整理し、工事間利用に関するルールについて検討すべき
・建設発生土を有効活用した砂利採取跡地等の自然修復を図るための仕組みについて検討すべき

(課題)建設汚泥再生品の利用が必ずしも進んでいない。
原 因
検討の方向性
主要な取り組み
建設汚泥処理土は、建設発生土と利用用途が競合する 発生抑制のより一層の徹底と、建設発生土と一体となった工事間利用のより一層の促進を図れないか 公共工事の発注者は、総合評価落札方式や、VE方式等の入札契約方式を活用し、建設リサイクルの観点から設計の合理化や工法の改善を促進すべき
建設汚泥再生品(一般市販品)についての品質基準がない 一般市販品についても品質基準を設けられないか 国は、建設汚泥再生品の品質基準について検討すべき
民間工事由来の建設汚泥処理土の品質、環境安全性の担保手段がない 民間工事由来の建設汚泥処理土の品質等を担保する仕組みを作れないか 国は民間工事由来の汚泥処理土の活用にあたって課題を整理し、工事間利用に関するルールについて検討すべき

(課題)建設発生土の工事間利用に際して、自然由来の重金属等を含む土砂の扱いに配慮が必要
原 因
検討の方向性
主要な取り組み
自然由来の重金属等を含む土砂は、使用環境に応じて環境汚染につながる可能性がある 自然由来の重金属等を含む土砂の取り扱いについて、現場で迅速・的確に判断するための評価手法を確立する必要があるのではないか 国は自然由来の重金属等を含む土砂の取り扱いについて、現場で迅速・的確に判断するための評価手法について検討すべき

(2)中間処理業者・再資源化業者
(課題)建設汚泥再生品の利用用途が限られている
原 因
検討の方向性
主要な取り組み
建設汚泥再生品(一般市販品)についての品質基準がない 一般市販品についても品質基準を設けられないか 国は、建設汚泥再生品の品質基準について検討すべき
建設産業以外に建設汚泥再生品に関する市場の育成を図れないか 再資源化業者等の民間企業は、建設副産物の建設産業以外の需要拡大について積極的に取り組むべき

(3)資源製造者
(課題)建設汚泥再生品の利用用途が限られている
原 因
検討の方向性
主要な取り組み
建設汚泥再生品(一般市販品)についての品質基準がない 一般市販品についても品質基準を設けられないか 国は、建設汚泥再生品の品質基準について検討すべき
建設産業以外に建設汚泥再生品に関する市場の育成を図れないか 再資源化業者等の民間企業は、建設副産物の建設産業以外の需要拡大について積極的に取り組むべき

建設リサイクル推進施策検討小委員会 第7回合同会議 公表資料2「課題に対する検討の方向性について(案)」より抜粋

「建設リサイクル推進施策検討小委員会」設置趣旨

 建設リサイクル推進施策検討小委員会の設立趣旨を下記に紹介します。
           * * * * * * * * * * * * * * * *
 天然資源が極めて少ない我が国が持続可能な発展を続けていくためには、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の取り組みを充実させ、廃棄物などの循環資源が適正・有効に利用・処分される「循環型社会」を構築していくことが必要である。
 中でも建設産業は、排出量、最終処分量ともに産業廃棄物全体の約2割を占めており、循環型社会を構築していく上で先導的な役割が求められている。このような中「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(通称:建設リサイクル法「建設リサイクル推進計画2002」の策定等、建設リサイクルを推進)」、するための各種施策がこれまで講じられてきたところである。
 しかしながら、先日、国土交通省より公表された「平成17年度建設副産物実態調査」の結果を見ると、建設廃棄物全体の再資源化等率は92.2%と平成14年度に比較すると上昇しているものの、一部の品目では依然として再資源化率が低く止まっている。また、建設発生土の有効利用率も極めて低い水準に止まっている。さらに、この10年間で建設廃棄物全体の最終処分量は約85%という大幅削減が実現している一方、排出量は約22%の削減に止まっており、循環型社会を実現する上で最優先とされる「発生抑制」の取り組みは十分とは言い難い状況にある。
 一方、建設廃棄物の不法投棄は産業廃棄物全体の約9割を占めると言われており、依然として全国各地で深刻な問題である。さらに、建設産業以外の産業から発生する廃棄物を原材料とした製品が多く流通してきている中、建設資材としての一層の利用拡大の要請が高まっている。これらの状況を踏まえ、新たな建設リサイクル推進計画の策定を視野に入れ、建設リサイクルや建設副産物の適正処理等を推進するための方策を検討するため「建設リサイクル推進施策検討小委員会」を設置するものである。
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