協会について 協会からの提言/ご挨拶

協会からの提言
建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(以下、「建設リサイクル法」という。)が平成14年に完全施行されて以来、特定建設資材をはじめとする建設廃棄物の再資源化等率は向上し、建設リサイクル推進計画2020により、いまや建設廃棄物のリサイクルは維持・安定期に移行する時期に差し掛かっているものと考えられます。そして、今後は、リサイクルの「質」の向上が重要な視点となると指摘されていますが、一方では、建設汚泥処理土の現場内利用や工事間利用は進展が進まず、建設汚泥を建設発生土として処分している事例も散見されます。(一社)泥土リサイクル協会では、建設リサイクル法や廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、「廃棄物処理法」という。)ならびに建設リサイクル法や資源の有効な利用の促進に関する法律(以下、「資源有効利用促進法」という。)に基づいて廃棄物の適正処理を推進する上で、現状の制度や運用等における考え方について、今一度原点に立ち返り、見直し等が必要であると思慮される事項について、令和3年9月10日に国土交通省ならびに環境省に対して要望書を提出いたしました。

提言内容
- 建設汚泥を特定建設資材に指定
- 建設汚泥を特定建設資材に指定することで、その受注者等に対し、再資源化等を行うことを義務付け、現場内利用ならびに工事間利用を促進すること。
- 建設汚泥を資源有効利用促進法における指定副産物に指定
- 建設汚泥の再資源化を促進するために、資源有効利用促進法における指定副産物として建設汚泥を追加。
- 建設発生土と建設汚泥の区分の明確化による適正処理の徹底
- 建設汚泥を建設発生土として処分しないよう工事内容に照らし合わせた取り扱い区分を明確にすること。
- 工事間利用として発注者主導型の自ら利用の促進
- 再生利用制度によらない工事間利用において、同一発注者の関連工事内での再生利用については、自ら利用の位置づけで促進できるような制度を整備すること。
- 解体系廃石膏ボードのリサイクル促進
- 平時における廃石膏ボードリサイクルならびに災害時における廃石膏ボードリサイクルを促進するために建設リサイクル法の特定建設資材として石膏ボードを指定すること。
理事⻑ご挨拶

泥土リサイクル協会
理事長 木村 孟
2020(令和2)年1月24日、2018(平成30)年度に全国の建設工事から排出された建設副産物について、再資源化及び排出量等の調査結果(確定値)が公表されました。建設汚泥の再資源化・縮減率については「建設リサイクル推進計画2014」の目標値である90%を超えた94.6%を達成しており関係者の建設リサイクルに対する取り組みの成果といえますが、土木工事における現場内利用ならびに建設工事全体の工事間利用はいまだ低迷している現状にあることが建設汚泥の再資源化における実質的な課題であります。
泥リ協は、建設副産物のうち再資源化・縮減率等で立ち後れていた建設汚泥のリサイクルに加え、浚渫土砂ならびに地震や水害により発生した災害堆積土砂等の⾼含水泥土の有効利用の促進、更には、産業廃棄物である石炭灰、製紙スラッジ焼却灰、廃石膏ボード等の副産物を固化材として再生利用することを促進している団体であります。
おかげさまで2025年度には発⾜から設立20年目の節目を迎えることができ、建設汚泥の再資源化等率が95%に達するなど、その一助となれたのではないでしょうか。
しかしながら、⾼い再資源化等率となった一方で、現場内・工事間利用は著しく減少しており、実感として建設汚泥の再資源化が促進されていないことから、現在では、泥土リサイクル活性化プロジェクトにおいては、「再生処理(再資源化)は⼿段であり、再生材の活用(再生利用)が目的である」とした基本理念を掲げて活動を展開しておりますが、ステークホルダーの皆様のご協⼒がなければ達成することは難しいことから、ここに改めてご支援・ご協⼒をお願いいたします。
最後になりましたが、泥リ協の活動がカーボンニュートラルに向けた循環型社会構築の一助となれば幸いです。